井沢元彦の歴史認識は好きだ
井沢元彦『井沢式「日本史入門」講座〈1〉和とケガレの巻』を読了。ケガレや言霊についての認識が、現代の歴史学者には希薄だ、という井沢さんの持論が展開。おもしろかったが、『逆説の日本史』シリーズで読んだような気がする文章が多くて。このシリーズはもういいかも。
聖徳太子の「十七条憲法」*1について、どうして第1条を「和を以て貴しとなす」までしか教えないのか、と指摘がされる。原文は、以下。
一に曰く、和(やわらぎ)を以(もち)て貴(たふと)しと為し(なし)、忤(さか)ふること無きを宗とせよ。
この後半こそが大事なんじゃないか、と。後半の「集団の中で異を唱えてはいけない」って方こそ、大事じゃないか、と井沢さんは言うわけです。ここにこそ、談合社会の根本原因がある、と。こういう見方、おもしろいよね。
- 作者: 井沢元彦
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*1:僕らの頃は、「十七条の憲法」って習ったよね?