『壬生義士伝』はいい!
浅田次郎『壬生義士伝(上)』を読了。新撰組隊士・吉村貫一郎を主人公にした物語。新撰組の物語では、沖田だったり土方だったりが主役なものが多いので、「吉村貫一郎?だれ?」みたいなところから読み始めました。が!これが予想に反して大当たり。本当に感動、とっても良かった…。本人の独り語りと、聞き取り調査による関係者たちの談話が交互に進んでいくのだけど、斎藤一の途中で下巻へ。
まあ、武士としては「それはどうなの?」というような感じで描かれているのだけど、その原点にあった母親との誓いのところが泣かせる。実際、泣きそうになる…。
結局、「自分の家族を幸せにする」ということを最大の約束事にして、そのうえにすべての価値判断を乗せていくという吉村がかっこよく、そしてまたかわいそう。ぜひ、お薦めです。
大学生のときに読んだ『坂の上の雲』での日本人の姿を、ある種ちょっとロールモデルとしてきたところがありますが、この『壬生義士伝』も「こりゃすげえや、こんな大人になりたい」と思わせる力があるかもしれません…。変な話、企業の不祥事で責任をとらされたサラリーマンとか、涙なしには読めないのではないかと…想像した。
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/09
- メディア: 文庫
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