エル・システマ、すごい
山田真一『エル・システマ 音楽で貧困を救う南米ベネズエラの社会政策』を読了。音楽で貧困を救う、という施策をとっているベネズエラの「エル・システマ」という仕組みを紹介。おもしろい。貧困層に「楽器を使う」勉強をさせることが、どれだけ大変かというのは容易に想像できる。「楽器の練習よりも働けよ」ってなったり、そもそも楽器の練習をさせるということのノウハウもない。そんな状態でオーケストラを頂点とするシステムを作り上げるのは、いろいろな設計が背後にあったから。出口として、オーケストラを自前で持ち、そこで活躍することで身を立てることができるようにする。楽器の練習方法についても方法論としてスズキ・メソードを日本から導入。
音楽であろうと映画であろうと、なんでもかまわない。貧困を救うためのひとつのアプローチとしてこういうのが出てきて、成功を収めているというのは、明るいニュースだと思ってます。[→メモ:エル・システマ]
- 作者: 山田真一
- 出版社/メーカー: 教育評論社
- 発売日: 2008/12
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ところでここで導入されている「スズキ・メソード」については、基本指導方法がおもしろい。音楽を学ぶときだけではなくて、他の学習についても適応できる話だと思う。
スズキ・メソードの基本指導方法
- 平易なことを立派にできるようになるまで育てる。
- 難しくなってゆくことを、少しも子どもに感じさせぬよう、自然に程度を進めていく。