国語教育の隠されたカリキュラムを暴く本
石原千秋『国語教科書の思想』を読了。国語教科書の隠されたカリキュラムを解き明かしていく。おもしろい。小学校の国語教科書で言っているテーマはたった2つ、「自然に帰ろう」「他者と出会おう」だけだ、というのはおもしろい。国語教育が道徳教育になっちゃってるっていうのも納得。もっともっと毒のある作品を読ませたりしたらいいのにね。
あ、あともうひとつ。プレゼンテーションについて書かれているくだりもおもしろい。
教育実習生の研究授業で、実際に生徒がスピーチを行う授業を見学したことがあったが、四十人近い生徒が慌ただしく教壇に出向いては瞬間芸のような「スピーチ」を繰り返していく様子を見て、これでは生徒にとっては「義務」以外の何ものでもなく、遊びにさえならないだろうと、暗澹たる気持ちになったものだ。自己表現にもなっていないし、言葉の学習にもなっていないのだ。それは、教育実習生だからというだけではないと思った。繰り返すが、とにかく慌ただしすぎるのである。こういうアラカルト方式ではなく、一つの形式をじっくり学習するスタイルに変える必要がある。(p.154)
国語の授業をどんなふうに工夫できるか、興味あります。ちょっといろいろ考えてみようと思う。ちょうどプロジェクトとしても国語カリキュラムを企画中なのだ。[→メモ:国語教科書の思想]
- 作者: 石原千秋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/10/04
- メディア: 新書
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