国家、若者、教育
高橋哲哉『教育と国家』を読了。国家のビジョンと教育って、当たり前だけど密接に関わっているわけで。
- 作者: 高橋哲哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/19
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Occupy Wall Streetのきっかけにもなった、という帯を見たような気がする、ステファン・エセル『怒れ!憤れ!』を読了。著者はレジスタンス運動の活動家で、ナチスに抵抗し続けた自由フランス軍の兵士だった男で、現在94歳。強制収容所に送られて処刑される寸前に脱走し、後に外交官となった人だって。壮絶な人生…。だからこそ言えることがあるのかな、とも思える言葉がたくさん。
たしかに今日の世界では、怒る理由が昔ほどはっきりしなくなっている。言い換えれば、世界はあまりに複雑になった。命じたのは誰なのか、決定を下したのは誰なのか、支配の系統をたどるのは必ずしも容易ではない。もはや相手は、明らかに悪行を働いている一握りの権力者ではないのだ。いまの相手は広い世界である。密接に結びつき関連し合う世界に私たちは生きているが、これは人類史上初めてのことだろう。だがこの世界にあっても、許し難いことは存在する。それを見つけるためには、目をよく見開き、探さなければならない。若者よ、探しなさい。そうすれば、きっと見つかる。いちばんよくないのは、無関心だ。「どうせ自分には何もできない。自分の手には負えない」という態度だ。そのような姿勢でいたら、人間を人間たらしめている大切なものを失う。その一つが怒りであり、怒りの対象に自ら挑む意志である。(p.43-46)
そうそう、無関心がいちばんよくないよね。ウォール・ストリートを占拠するまで行かないにしても、せめて怒りをもって選挙には行こうぜ、と若者を見てて思うわけです。「社会を変えられる」という気持ちを持って、学校を卒業してほしい、と本当に思います。【→メモ:怒れ!憤れ!】
- 作者: ステファン・エセル,村井 章子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
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