日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

片田敏孝先生が伝えた教育の力

TBSラジオDigのPodcast「大震災からの命の守り方」を聴いた。群馬大学大学院教授の片田敏孝さんがゲスト。釜石市の防災教育を担当されていた先生。2004年からスタート。三陸地方には100年程度の周期で津波が定期的に来襲することを念頭に、ターゲットを小学生や中学生、若い子たち(=次の世代)と定めて、プロジェクトをスタートしたらしいです。で、防災教育の中で「ハザードマップ」を見せて、「このマップを見て大丈夫だと思っているなら、そんなことはない」と言うことも教えたらしい。学校で教わることは絶対、というのではなく、「こんなの嘘」「信じるな」ということから始めたわけです。
その後に出てくる話も、本当にびっくりすることが多い。例えば、地震が来たら、「とにかく逃げる」「自分の判断で逃げる」というもの。学校とか集団で地震にあうと、「最初に逃げるという行動に出ること」自体がとても難しい。「みんな逃げてないし、平気でしょ?」とつい思っちゃう自分が想像できるもの。それを覆す。先生を置いてでも逃げる。家族のことも放って逃げる。実際に、釜石市の中学校では、中学生がまず一目散に逃げる。それを見て、小学生が「これはただごとではない!」と感じて逃げる、と。
教育の力を感じる話だったし、親としてもいろいろなことを考えさせられる話だった。WEDGE REPORTのエントリーから以下、抜粋。

三陸地方には、「津波てんでんこ」という昔話が伝えられている。地震があったら、家族のことさえ気にせず、てんでばらばらに、自分の命を守るために1人ですぐ避難し、一家全滅・共倒れを防げという教訓である。私はそこから一歩踏み込み、子どもに対しては「これだけ訓練・準備をしたので、自分は絶対に逃げると親に伝えなさい」と話した。親に対しては子どもの心配をするなと言っても無理なので、むしろ、「子どもを信頼して、まずは逃げてほしい」と伝えた。
片田敏孝「小中学生の生存率99.8%は奇跡じゃない 「想定外」を生き抜く力」 / WEDGE REPORT 2011年04月22日(Fri)

片田敏孝先生、すごい。教育の底力を感じたとともに、この世界をどうするのかという意志の力を感じる話だったな、と思います。