教育においては、言葉は本当に大事だな
菊池省三・関原美和子『菊池先生の「ことばシャワー」の奇跡 生きる力がつく授業』を読了。
- 作者: 菊池省三,関原美和子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/10/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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菊池先生による学級崩壊寸前のクラスの再生を追った本。言葉って大事だなあ、と思います。同じことを伝えたいのでも、「どう伝えるのか」ということによってまったく変わってきます。菊池先生の、「このクラスからなくしたい言葉」を最初に児童たちから出してもらう、っていうのはいいなあ、と思いました。
ことばの力が身についていない子は、人のよさに気づかないし、なにがよいことなのかもわからない。細部を見る観察力とそれを価値づける判断力が育っていないため、どうしてもものごとを表面的に見がちになる。「好きか嫌いか」「オモシロイかムカツクか」といった二極化した感情しか表せず、クラスの仲間に対しても「敵か味方か」という極端な人間関係に振り分けてしまう。表現する手立てがわからないのだ。
(表現は「好き」「嫌い」といった単純なものではない。二つのあいだにあるこまやかな思いを表現し、それを受け止めることができる子どもたちを育てていきたい)
ことばの力の基礎をつくる観察力と価値語(価値あることば)の習得。菊池教諭は決めた。
(「ことばシャワー」をたくさん浴びせ、豊かな表現力を身につけさせよう)(p.28)
褒めたり、感謝したり、という肯定的な言葉は自己肯定感にもつながってくる。価値観と言葉もつながっているから、褒められたことがない人は、人のいいところを見つけて褒めることもない。そうだよなあ、と。
ゲーミフィケーションでバッヂをあげたりするのも、実はこれに近いのかもな、と思ったり。もしかしたらLINEAのスタンプも?言葉で表現できない部分を、絵文字とかで簡単にさせちゃうのって、コミュニケーション促進としてはいいけれど、教育としてはいまいちかもな、と思った。
他にもいいなあ、と思う所たくさんあり。それらはメモで。【→メモ:菊池先生の「ことばシャワー」の奇跡】