子どもに選択肢を与える叱り方
Twitterで流れてきた一連の子どもたちとのやりとりの記録。すごく勉強になります。子どもの頃は、こうして叱られる側にいたし、今は仕事で叱る側にいることも多いので、「考えるきっかけ」を与えているのが素晴らしいなあと勉強になる。学校の中で経験した問題の解決の仕方って、大人になってから自分が問題にあたったときにどう解決するか、っていうのに結びついていると思うので(経験から学んでいることって本当に多い!)、こうやっていろいろなカード=選択肢があるのだ、ということをわからせることは大事だな、と思います。
①厳しくして子供達を取り締まった。その結果、子供達はおとなしくなった。そんな指導を繰り返していれば、子供の頭は思考停止になる。先日、僕のクラスで「専科の音楽での授業態度が悪かった」という問題が起きた。これはよくある話。しかし、何を考えなければならないかを考える必要がある。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
②まずは、それを「子供の責任」にもっていったところでアウトだって思う。子供も、担当教員も、担任も、親も、それぞれが自分に何が足らなかったのかを考える必要がある。そして、何ができるのかを考え、実行できなければならない。それができない大人は、子供に責任をもっていくことはできない。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
③そもそも、「静かにしなさい」「もっと集中しなさい」などの言葉で高学年の子供達が言うことをきくと思っているところに大きな間違いがある。1年生と6年生では、その思考に雲泥の差があるわけだ。にも関わらず「同じ言葉」で…なんて簡単に無理ってわかるだろう。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
④仮に、「静かにしなさい!」で押さえ込むことができたのであれば、それこそおかしな指導だ。そうやって「我慢」を教え込む。「授業がおもしろくないにも関わらず我慢することが大切だ」と教え込む。何年にもわたって我慢させる。果たしてどんな人間ができあがるのだろう。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
⑤将来、自分が苦しい思いをしたとき、我慢が大切だと考えてしまう。それでいいのだろうか?「苦しいから助けてほしい」と言える人間を育てる方が大事なんじゃないのか。嫌な仕事を押しつけられたとき、「できません」と言える方が大事なんじゃないのか。けんかできる人間も大切なんじゃないのか。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
⑥自らの行動に対し、様々な選択肢を考え、その「カードを選ぶ。そういう生き方ができるようになってほしい。「嫌だと言い切る」カードがあっていい。「けんか」があっていい。そんなカードの中に「今回は我慢する」があっていい。大切なことは、カードが1枚であってはならないということだ。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
⑦このような考え方で、冒頭の音楽の話を振り返ってみる。すると、子供達は何もカードを引かなかったことがわかる。ただ、おしゃべりをして集中しなかったということだ。「だから、そこがだめだった」と言える。教員はどうか。今までに、「カードを選択する」という考えを教えていなかった。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
⑧だから子供達は何もできなかった。そのように問題を整理することができるわけだ。私は、子供達にその「カードの選択」の話をした。子供達は、「じゃあ、次の音楽の時間の行動をいくつか考えてみよう」と言い出した。僕が音楽の授業を見に行く。これが1つ目のカード。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
⑨2つ目は、僕は見に行かないで、授業後、僕にその様子を報告するというもの。3つ目は、授業の途中で僕が見に行くというもの。4つ目は、「みんなでがんばろう」と言い合うというもの。はっきり言って、どれでもいいわけ。行動を選択しようと考えることができたことが素晴らしいって思うから。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
⑩子供達は、3つ目のカードを選択した。そして、彼らのカード通り、僕は途中で見に行った。素晴らしいと思った。がんばっていたよ。僕は、涙が出そうだった。あのとき、子供達のふがいなさを指摘し、厳しく叱って、僕のコントロール下に置いて。そんなことをしていたとしたら…。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014
⑪これからも、行動の選択についてはいっしょに考えていく。もちろん、僕たちにとって都合の悪い「カード」も認めていく。「先生の授業がつまんなかった」というカードがあっていい。それを否定してはいけないから。もっと子供達が考え、考えたからこそ変わっていける、そう思うな。
— Yasuo Nakazato (@yaozat) November 2, 2014